今日の昼下がり、つまりはハロウィンの日の昼下がり。いつものように応接室にいる恭弥。だけど、いつもの連れ(…なのか?)が見えない。今日のような行事に人一倍盛り上がりそうな彼女が。大方遅刻か何かか?(欠席はない)(断言)いつもの風景が違うと落ち着かない。いや、俺が落ち着かないっていうのも変な話だけどよ。その点恭弥は、いつものように手際よく書類の整理をしている。…がいないことが気にならないのか?(あんなに傍にいたのに)


「おい恭弥」

「何?今日は風紀の仕事が終わってからにしてって言ったよね」

は?遅刻か?」

「さあ、来てるんじゃないの?」



恭弥は少し怒っているようにも見えた。とりあえず、二人の間に何かあったのは確からしい。もうさっさと仲直りしちまえよ!(喧嘩と仮定)(仮定というより断定)オレの若い頃なんてなァ!(こんなオッサンいるよね)…じれったいよなァ、見てる人としては。仕方ねえなァ、オレが一肌脱いでやるか!













「あ、ディーノさん」

「よう!」

「あれ、今日はどうしたんですか?恭弥に用事ですか?」

「あーそれなんだがなァ、…、恭弥と何かあったのか?」

「……まぁ、少し」

「もしよかったらオレ聞くけど?」

「そうですか?じゃあ、」











だって酷いと思いません?私が楽しみに楽しみにしていたプリンがあったんですよ。3時に食べようと思って、応接室の冷蔵庫に入れておいたんです。気が向いたら、恭弥にもあげようって思ってたんですけどね。だってそのプリンすっごく美味しくて、お昼で売り切れちゃうから、態々朝イチで行って並んで買ったんです。努力した分、楽しみも増える訳で。プリンを冷蔵庫に入れた後はルンルンでしたよ私。いつも訳の分からない理科の実験も楽しかったし、いつも理解し難い公民も楽しかったんです。というよりも今日は一日中楽しかったんですよ。それだけ今日の私にとってプリンは大きな存在だったんです。そのプリンのために今日の昼食のりんごゼリーを友達にあげちゃいました。いつもの私なら有り得ないです。あげずに捕りに行きますから私。別に食いしん坊って訳じゃなくて、りんごゼリーが大好きってことなんですけどね。りんごゼリーハンターです。専売特許ですよ。だけどプリンには敵いませんよ。表現するならりんごゼリーは氷帝でプリンは立海なんです。関東レベルと全国レベルぐらいの違いなんです。あ、ちなみにジローとブン太好きなんです私!…じゃなくて!!そんな大切なプリンがないんですよ、冷蔵庫に。机で黙々と仕事してる恭弥に聞いたんです。そしたら案の定食べられてて。それで私言ったんです、返してよ!って。そしたら恭弥は、今度ね。って言ってくれたんですけど、それからもう1ヶ月ですよ、恭弥のやつしらばっくれるつもりなんですよドチクショウ!恭弥は私のプリンに対する思いを知らないからこんなことが出来るんですよ。だから、私のこと分かってもらえるまで私、応接室行きませんよ。

と伝えといて下さい。











「…だそうだ」

「はぁ?そんなこと言ったの?そもそも、」









ちゃんと返すよ、誰も返さないなんて言ってないし。しらばっくれるなんて、そんな根も葉もないこと言わないでほしいんだけど。それに僕、昼には売り切れるようなプリン買いに行けるほど暇じゃない。のことだから学校サボって行ったんだろうと思うけど、僕そんな不真面目なこと出来ないよ。それに、風紀の仕事も溜まってるし、のおまもりも大変だし、その上貴方と不必要な修行までしてるし。そこまでほしいなら風紀で使いを出してもいいけどはそれでいいの?それなら早く言ってほしいんだけど。僕なりに、のこと考えてそういう結論へ至ったんだけど、はプリンがあればいいの?てことはにとって僕はプリン以下ってことでいいのかな?のこと分かってほしいって言うけど、僕としては僕のことも考えてほしいんだけど。だってさ、プリンよりも想われていないって色々きついよ。まあプリンは今度買うよ、だから早く戻っておいで。

って言っておいてよ。









「…1回二人で話した方がいいんじゃね?」

「「……」」
























「…ごめんなさい、被害妄想が過ぎました」

「もういいから、今日はこれで我慢してよ」



手出して、といわれて出すと、恭弥の手から、小さな、でもとっても甘そうなキャンディを3つもらった。あ、そうか今日はハロウィンだっけ。



「このガリ!骨男!」

「こういうときは、Trick or Treat、て言うんだよ」

「私お菓子持ってないから愛をあげるよ!」

「お菓子なかったらイタズラするんだけど」

「愛より甘いお菓子はないのよっ」

「…そのようだね」

全てをちかう (061020)(Happy Halloween!)(こた)

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