76.





ここにいれば




会えると




思ったから














頬に当たる風が心地良い。彼もこの場所がすきだって言ってた。だけど彼はめっきりこの場所に来ていなくて、最近は私一人。彼は黒曜とかいう学校の子と喧嘩しにいっちゃって、それで怪我して即病院行き(私を一人にさせておいて、)だから仕方なくその間は授業も出てたし、一時間もサボらなかった。君のいない日々もまあそれなりに楽しかったよ。授業はいつもの通り良く分からなかったけど、先生は優しく教えてくれたし(だけど、君ほど上手に教えてくれる人はいないよ)友達とのくだらない話も、いつもより楽しかった(だけど、君といる時の方が、)。帰るときはいつも一人で、特に寄り道もしなくて真っすぐ家に帰った。寂しいとかは感じなかった。

独り。








彼との会話は、他愛も無いものだった。ただ、2人で同じ時間を過ごしていたという感じだった。だけど、それ以上は望まなかったし、それで十分だった。初めての会話といえば、ここでサボってたときに、何やってるのって言われて逃げようとしたときにあっさり捕まってしまい、まあゆっくりしていきなよ、と言われ、その間にああこの人結構いい人だと感じた。(でもいい人じゃなかった)(ドSだった)そして、初めてキスをした。(というかされた)それから、屋上へは行かなくなった。

二人。







応接室で過ごすことは私の日課になっていた。会話という会話もない、他の人から見たら、こんなにつまらない時間はないものなのだろうけど、そんな時間でも、幸せを感じることはあった。彼の見せる、ひとつひとつの癖だとか、仕草がよく目に入り、それなりに楽しかった。(例えば、カップを持つとき小指が立つとか)(初めて見たときあちらの世界の方かと思った)(、と呼ぶとき目をちゃんと見るとき)(すっごく嬉しい)それに、彼はよく私をぱしるから暇も感じなかった。充実していた。

二人。






応接室の方が、二人で過ごした時間は多い。それに、想い出も多い。だけど、大きさで言ったら、屋上の方が大きい。だから、私は屋上を今でもすきでいる。ここにいると、彼が今もいるみたいだ。応接室は一人ではいるとができない。彼がいない応接室には入りたくない。何故か、そう考えても答えは出ない。多分気持ちの問題だ。屋上は一人でもいれる。

独り。








屋上から見下ろす景色は、いつも変わらない。下ではみんなが一生懸命勉強しているんだろう。校庭には誰もいない。道には車が絶えず通っている。ずっとそう。多分、これからもそう。だけど、昊は変わる。同じところを、私は見たことがない。変わり続けることも、ある意味で変わらないんだろうと思う。そんな変わらない私の世界に、侵入者。変わらない服装に、変わらない顔ぶれだけど、何故か新しい。嗚呼今、私の世界が新しくなろうとしている。

独り、もう独り。



「おかえり、恭弥」

「ただいま、

「遅かったね、そんな怪我したの」

「大した事ないけどね」

「強がってるでしょ」

「そんなことない」




屋上の独りと、校庭の独りが話をしている。顔が良く見える、表情も良く分かる、、と呼んでくれる。少し前から、望んでいたこと。いつも、が変わればいいと思っていたこと。私の世界が全て変わる。





「待ってたよ」

「逢いたかった」

(060809)(Ecstasyに献上!・サイト用)(なんか雲雀死んだみたいだ)
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